家康公と家光公
ごあいさつ
日光の社寺として世界遺産に登録される東照宮・輪王寺・二荒山神社の堂社はほとんどは,徳川家光公の時代に建てられました。なかでも寛永13年(1636)に日光で挙行された家康公の二十一回忌に際しての東照宮造営はよく知られています。造営当時の東照宮の建物はこのときほとんど一新されました。
寛永17年(1640)の家康公二十五回忌に際しては境内・伽藍・町割りを引き直し,寛永20年(1643)には天海大僧正が天台宗開祖伝教大師最澄の古例にならい,相輪樘を建立,慶安元(1648)年には日光三所権現の本地仏をお祀りする三仏堂の改築工事を完了しました。
この間,日光を幾たびも訪れ,徳川家康公を祀る日光を荘厳することに力を尽くしたのが孫にあたる家光公であり,思想・宗教の面で支えたのが天海大僧正です。夢枕に立つ家康公のお姿を,そのたびに狩野探幽に命じて描かせた家光公の深い尊敬の念と,古より続く日光の信仰を踏まえながら東照宮をそのなかに位置づけた天海大僧正の揺るぎない学識こそが優美な日光の景観となって現れているのです。
そしてここ日光山内には東照宮と壮麗な大猷院廟の二建造物が並び立っているのです。
錦を飾るように木々が彩りを増すこの季節,自然と調和させた堂社を歩きながら,多くの人びとの力による日光の荘厳をお楽しみ下れば幸いです。
令和 3年 10月 輪王寺宝物殿
【主な展示品】 ☆国宝 ◎重要文化財 ○栃木県指定文化財
☆大般涅槃経集解 第38巻 1巻 平安時代
◎鋳銅半肉千手観音像 1面 平安時代
◎東照大権現画像 1幅 寛永20年(1643)9月29日
徳川家光公画像 1幅 江戸時代
東照宮二十五回忌願文 1巻 寛永17年(1640) 次回展示予告 2021年 12月10日(金)~ 2022年2月9日(水)
東照宮二十一回忌装飾法華経 3巻 寛永13年(1636) 輪王寺宮の時代(仮)
絹本着色 薬師十二神将画像1幅 江戸時代
絹本着色 慈眼大師画像 1幅 江戸時代
日光山輪王寺 宝物殿
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