家光公の宝箱
ごあいさつ
日光は,開国間もないころから世界に知られるところとなり,「日光の社寺」として世界遺産に登録されています。豊かな自然と調和の取れた寺社建築の景観を形づくったのは三代将軍徳川家光公と家康公以来将軍家の帰依を受けた天海大僧正でした。特に,寛永13年(1636)の家康公21回忌の際には多くの堂社を一新しました。
天海大僧正は寛永20年に世を去り,家光公も慶安4年(1651)に亡くなられます。家光公の強い遺志によって営まれたのが大猷院です。
家光公は家臣からの人望が厚く,大猷院造営以後,回忌法要ごとに遺臣やその子孫たちから多くのものが寄進されました。さらにオランダ商館から幕府に献上された海外の名品,日本の各所から発見され,幕府を通じて納められた珍品まで,多彩な品々が大猷院の宝庫に収められました。好奇心に満ちあふれた家光公のお人柄が伺えます。
今回は,家光公の命日4月20日にあわせて,家光公の元に集まった宝物を展示いたしました。折しも,家光公と天海大僧正が力を尽くして造営した相輪橖の解体工事がこの3月から始まっています。発見されたばかりの相輪橖納入物も公開いたします。今しかないこの機会にぜひご観覧下さい。
令和 3年 4月 輪王寺宝物殿
【主な展示品】 ☆国宝 ◎重要文化財 ○栃木県指定文化財
☆大般涅槃経集解 第35巻 1巻 平安時代
◎鋳銅半肉千手観音像 1面 平安時代
徳川光圀公祭文 1巻 寛文3年(1663)
○朝鮮通信使奉納 花筵 1枚 明暦元年(1655)
阿蘭陀箱 オランダ商館奉納 1合 江戸時代
慈眼大師画像 1幅 寛永20年(1643)
琉球国王尚質奉納 燭台 1基 承応2年(1653)
大猷院三十三回忌法会図 3幅 天和4年(1684)
公益財団法人德川記念財団常設展示 *日光山輪王寺宝物殿は德川記念財団の特別協力館です。
茶を彩る道具
ご 挨 拶
日本の喫茶文化は、9世紀頃に中国・唐から日本に伝えられたことが始まりとされます。長い年月をかけて日本の風土に合わせ変容したこの文化は、安土・桃山時代に千利休により茶の湯として大成され、嗜好品として盛んに流行しました。
喫茶文化が普及する中で、茶碗や棗などの茶道具も愛好の対象になりました。蒔絵やなどによって装飾された道具を用いて茶室を彩り、客人をもてなしたのです。そして、その道具は大切に後世に伝えられています。
本展示では、天璋院(篤姫)所用と伝わる香合や、德川宗家16代家達の妻・泰子所用の茶箱など、徳川宗家に伝わる茶道具をご紹介いたします。春にふさわしい、華やかな作品をご覧いただければ幸いです。
令和 3年4月 公益財団法人 德 川 記 念 財 団
《常設展案内》
●日光山輪王寺宝物殿(次回)
令和3年 6月11日(金)~ 8月4日(水)「徳川に伝わる書と文具」
●久能山東照宮博物館
令和3年4月8日(木)~6月10日(木)「風景を描く」
(久能山東照宮企画展への出品協力)
〒422-8011 静岡市駿河区根古屋390 TEL054-237-2437
久能山東照宮ホームページ http://www.toshogu.or.jp
【交通機関】東名静岡または清水I.Cより日本平まで約20分
JR静岡駅よりしずてつバス「日本平行き」
【駐車場】 日本平に無料駐車場200台
〔日本平〕よりロープウェイにて5分
展示内容・展示期間は、予告なく変更する場合があります。
公益財団法人 德 川 記 念 財 団
〒151-0065 東京都渋谷区大山町37-6 TEL03-5790-1110・2620
ホームページ http://www.tokugawa.ne.jp