徳川家光公370回御遠忌展 Ⅱ
ごあいさつ
この度,輪王寺宝物殿では,徳川家光公の370回の御遠忌を記念して,家光公ゆかりの宝物を二期に分けて展示いたします。6月からの今回は,家光公ご自身の作品を含む,家光公ゆかりの宝物を皆さまにご覧いただきます。
江戸幕府を開創した徳川家康公の嫡孫として生まれた家光公は,祖父である家康公を深く敬愛していました。常に家康公を意識し,祖父への尊敬と感謝を込めた書き付けを御守りとして身につけていたといわれています。家康公が世を去り,東照大権現としてお祀りされた後も,10回にわたって日光を訪れました。また,ときおり夢枕に立つ東照大権現のお姿を幕府の御用絵師狩野探幽に描かせています。
狩野探幽からは,絵の手ほどきも受けたと伝えられており,家光公は自ら筆を執り,書画の作品を残されています。その筆づかいは狩野派の影響というよりも自由なスタイルが特徴で,近年,ゆるくて可愛い「ゆるカワ」の絵として注目を集めています。
今回は,幕臣であり,日光ともゆかりの深い勝海舟から輪王寺に頂いた宝物も展示いたしました。三仏堂では,海舟翁が奉納された,疫病などの災厄を払う,降魔大師(角大師)の掛軸も公開しております。皆様にも疫病の沈静をお祈り頂ければ幸いです。
令和 2年 6月 輪王寺宝物殿
【主な展示品】 ☆国宝 ◎重要文化財 ○栃木県指定文化財
☆大般涅槃経集解 巻第30 1巻 平安時代
◎鋳銅半肉千手観音像 1面 平安時代
家光公征夷大将軍宣旨 1葉 元和 9年(1623)
家光公御消息 1幅 江戸時代
家光公筆 松の絵 1巻 江戸時代
○朝鮮通信使奉 敔 1基 明暦元年(1655)
○円空作 薬師如来・不動明王 2軀 江戸時代
次回展示予告 2020年8月6日(木)~10月7日(水)
日光の信仰と瀧尾山―空海来山1200年記念―