「日光の社寺」世界遺産登録20周年記念 霊山を開く
令和元年年 8月 8日(木)~ 10月8日(火)
ごあいさつ
「日光の社寺」がユネスコ世界遺産に登録されて今年で20年を迎えました。このたびはこれを記念して,日光に伝えられ,日光の長い歴史を物語る貴重な文化財をご覧いただければと思います。
日光の開山は天平神護2年(766)。男体山を極めるために大谷川を渡った勝道上人が紫雲の立ち上る霊地を見て小さな庵を結んだことに始まります。ここを拠点にさらなる修行を重ねた上人は,天応2年(782)ついに男体山を極めるに至りました。翌年,再び高峰の頂を踏んだ上人は,眼下に広がる湖のほとりへと降り立ち,弟跡は,三峰五禅頂,あるいは船禅頂として,上人の苦難を追体験する行事として確立されました。こうして日光は,国内有数の山岳信仰の霊山として,全国から多くの修行者を集めるに至りました。
今では徳川家康公・家光公を初めとする徳川家ゆかりの寺社のイメージが強い日光ですが,もともとは日本に古くから伝わる山岳信仰の聖地,霊山として始まり,その信仰を基礎にしているのです。
開山から1250年を超える長い歴史のなかで,広く信仰を集めた日光には,多くの霊宝が納められました。このたびは勝道上人や有名無名の数多い修行者が残した文化財を御覧頂き,自然の美しさと厳しさのなかで育まれた信仰の心を感じて戴ければ幸甚です。
軍荼利明王坐像(木造四大明王像のうち)
重要文化財 法華経化城喩品
次回展示予定 2019年10月10日~12月3日
「日光の社寺」世界遺産登録20周年展2
徳川家康公の肖像と日光山の至宝
令和元年 8月
輪王寺宝物殿
【主な展示品】 ☆国宝 ◎重要文化財 ○栃木県指定文化財
勝道上人画像 一幅 慶応2年(1866)
伝勝道上人所用 刀子 二柄 平安時代
日光山縁起 巻第3 江戸時代
○鉄造納経塔 一基 元徳3年(1331)
○木造四大明王像 4躯 平安時代
◎金銅蛭巻入峰斧 一柄 鎌倉時代
◎金銅大火舎香炉 一合 平安~鎌倉時代
◎菊花双雀鏡 一面 鎌倉時代
☆大般涅槃経集解 巻第24 奈良・平安時代
◎法華経化城喩品 一巻 平安時代