輪王寺宮様-ゆかりの宝物-
2024年11月28日(木)から2025年1月 20日(月)まで
8世紀の勝道上人による開山以来,日本屈指の霊場としての長い歴史をもつ日光山には,江戸時代にそれまでの日光山を一新させる2つの大きな出来事がありました。1つ目は,家康公の帰依を受けた天海大僧正が元和3年(1617)に家康公を東照大権現として日光山に勧請し江戸幕府の聖地になったことです。寛永13年(1636)には家光公が家康公二十一回忌のために日光山の建造物を現在につながる荘厳な姿に一新させています。
2つ目は,後水尾天皇の皇子守澄(しゅちょう)法親王が日光山と江戸上野の寛永寺の住職となり,明暦元年(1655)に朝廷から天台座主の地位と輪王寺宮の称号を与えられて,日光山・比叡山・東叡山(寛永寺)を管理するようになったことです。こうして日光山は輪王寺宮を名乗る法親王が代々住職を務める門跡寺院となりました。以降,明治維新まで13代12名の輪王寺宮が日光山の儀式を執り行いました。それに合わせて日光山では輪王寺宮がお使いになる法具や調度品が整備されていきました。また歴代の輪王寺宮は,御染筆や優れた仏画を遺(のこ)すなど一流の文化人でもありました。これらの輪王寺宮ゆかりの品々は,輪王寺の宝物として大切に保管されて現在まで伝来しています。
今回の展示では,輪王寺宮ゆかりの法具や書画,調度品などの実際の宝物をご覧いただき,江戸時代の日光山を牽引した歴代の輪王寺宮の実像に思いを馳せていただければ幸いに存じます。
令和 6年11月
輪王寺宝物殿
【主な展示品】☆国宝 ◎重要文化財 ◇初出陳
千手観世音菩薩画像 天真法親王筆1幅 元禄2年(1689)
銀製宝舟 1点 江戸時代
菊花紋散書見台 1台 江戸時代
衝立障子 松に鷹 狩野貴信筆 1基 江戸時代
◇禁裏院中御贈経 守澄法親王筆 1巻 寛文3年(1663)
○鉄造宝篋印塔 1基 元徳3年(1331)
◎鋳銅半肉千手観音像 1面 平安時代
☆大般涅槃経集解 巻58 1巻 平安時代 国宝
次回展示予告 2025年 2月1日(土)~ 3月25日(火)
輪王寺宝物の継承と修復
2024年 12月14日(土)休館。煤払いのため。
2025年1月21日(火)~31日(金)休館。館内設備のリニューアル及びメンテナンスの為。
期間中,逍遥園は通常開園。