お坊さんのつぶやき
本堂執行 荻原貞宣
輪王寺では12月18日(水)に成道会という法要が執り行われる予定です。成道会とはお釈迦様がお悟りをひらかれた事を記念して行われる法要です。
さてさて、お釈迦様がお悟りをひらかれた時、どのような事が起こったかといいますと。まず、髪の毛が爆発します。それが4メートルぐらい伸び、ぐるぐると頭に渦巻きとなってくっつきます。パンチパーマ見たいなものです。それを螺(ら)髪(ほつ)といいます。そして、眉間から白い光をピカーンと放ちこれまた、4メートルぐらいの白い毛が伸びます。それがまた、ぐるぐると渦を巻き印となります。これを白毫(びゃくごう)といいます。そして両手の指の隙間には水かきが生えてきます。その他には、耳が肩まで届く福耳になり、首に三本のしわがでてきたりと、などなど…
初めて聞く方はだいぶ物騒な話に聞こえるかもしれませんが、お経に書かれているのです。
日光山に御参拝にいらした方は御存じでしょうが、三仏堂に鎮座する真ん中の阿弥陀如来様は如来様(悟った方)ですので、もちろん髪の毛は螺髪でして、装身具など一切もっておらずスッキリしたお姿です。一方、左右の千手・馬頭観音様は正式には(観世音菩薩様)ですので、装身具など多々お持ちです。
一見すると、如来様は悟りをひらいているから欲がなく物を持たない。
菩薩様は悟りをひらいていないから、物をもっている。
とも思えますが、違うのです。
菩薩様は実は一度悟りをひらかれている方なのです。ですが我々に仏教を教えに再び姿を現したお姿ですから、我々が興味をもつようにたくさんの装身具をつけていらっしゃるのです。ですので、お出かけの際に仏様にお会いする機会がありましたら、あっスッキリしているから、如来様かな?いろいろお持ちだから菩薩様かな?なんて視点でみるとまた違った視点で仏様にお会いできるかと思います。
あっもちろん我が家の嫁様はお出かけの際はもちろん菩薩様でございます(笑)