2024年10月01日法話
大猷院執行のお話
大猷院執行
宮田 諶光
今年は例年になく暑い日がつづき雨が降る日も多く、そのせいでしょうかお彼岸が過ぎても天気がすぐれず、秋がくる様子はまだまだ先のようです。
そんな中大猷院の境内は多くの参拝の方々でにぎわっていますが、一歩境内に足を踏み入れるとひときわ大きな二天門に目を引かれます。
正面には持国天、増長天、後ろにまわると風神、雷神が鎮座しております。
門をくぐるとまるで空気すら変わってしまうような気がします。
これも仏様の住まわれる世界への一歩なのでしょうか?
阿弥陀如来様がお住まいなのは「極楽浄土」、我が日光山は観音様のお住まいになる「補陀落浄土」。
諸説あると思いますが、日光の地名はこの観音浄土ポータラカの漢語訳からきているとの説があります。
とかく今の世は目を覆い、耳を塞ぎたくなるようなことが多大にあり、
これも一切皆苦なのでしょうか?
人それぞれ様々な艱難辛苦(かんなんしんく)があるとは思いますが、
やがて秋が深まると、境内の紅葉が赤や黄色に染まり始めます。
まるで観音様のお住まいになる世界のような大猷院を是非訪れてはいかがでしょうか?