家光公の遺宝と日光山
2024年3月28日(木)から 5月 28日(火)まで
ごあいさつ
「生まれながらの将軍」として知られる3代将軍徳川家光公は、死後も尊敬する祖父家康公にお仕えしたいという遺言を残し,慶安4年(1651)4月20日に48歳で世を去りました。それを受けて,日光東照宮の近くに墓所が造営され,承応2年(1653)に家光公を祀る大猷院が完成しました。大猷院には,家光公ゆかりの品々や家光公を偲ぶ家臣たちから奉納された様々な宝物が伝来しています。
家光公は寛永13年(1636)の家康公二十一回忌の際に東照宮を含めた日光山の堂舎を一新しています。日光山は,家康公と家光公をお祀りすることで,いっそう発展を遂げました。日光山を一新した家光公の事績は,「世界遺産日光の社寺」という形で,現在に至るまで継承されているのです。
大猷院では,家光公の命日4月20日に年忌法要が毎年執り行われています。それに合わせて、今回の展示では家光公と大猷院ゆかりの宝物をご紹介します。また毎年4月2日には「日光責め」で知られる輪王寺の強飯式が行われます。そちらに関わる宝物も併せて展示します。日光山の開山以来,培ってきた宗教文化と,家光公の思いが込められた華麗な宝物や社寺建築が同居する日光山の文化をお楽しみください。
令和 6年 3月 輪王寺宝物殿
【主な展示品】☆国宝 ◎重要文化財
徳川家光公将軍宣旨 1通 元和9年(1623)
大猷院三十三回忌法会図 3幅 天和4年(1684)
徳川家光公筆 岩に鶺鴒 1幅 江戸
梨子地三葉葵紋閼伽盥 1合 江戸
阿部豊後守奉納青磁香炉 1口 江戸
朝鮮通信使奉納 花筵 1枚 明暦元年(1655)
◎蒔絵箱入守袋 1点 江戸
◎鋳銅半肉千手観音像 1面 平安
☆大般涅槃経集解 巻54 1巻 平安
次回展示予告
2024年5月30日(木)~ 7月24日(水)
修験霊場日光山と山伏(仮)