2022年08月01日法話
船禅頂
中禅寺立木観音執行 人見 良典
皆様ご苦労様です。今年は3年ぶりに中禅寺立木観音で船禅頂が開催されますので、今回は船禅頂についてお話したいと思います。
船禅頂とは、中禅寺湖畔の霊場を船で巡拝する古儀で、毎年8月4日に奉修されております。この船禅頂は、日光を開山されました勝道上人様が、弟子の道珍らと共に、湖畔の霊場に香華を供えて修行、祈念されたことから発祥した行事です。
巡拝は、先ず中禅寺境内の石護摩壇にて献供読経して始まります。次に供養船を仕立て、湖上に出、湖南の寺ケ崎(八丁出島)の「薬師堂跡」、南岸松崎の五大尊をお祀りした「日輪寺跡」、湖中の上野島の「日光開山勝道上人墳墓」、そして西岸の「千手堂(平成29年再建)」を巡拝し、最後に中禅寺の旧跡であります二荒山神社中宮祠を船上より遥拝して中禅寺本堂に戻り、ご本尊「千手観音様(立木観音)」の前にて読経して終了です。
中禅寺湖は標高1269メートルにあり、真夏でも大変涼しい所です。供養船で涼風に吹かれながらの巡拝は、まさに「観音浄土」を髣髴とさせ、「いのちの洗濯」となることでしょう。
船禅頂はどなたでも参加できる行事ですので、是非一度は足をお運び頂き、どうぞ日光開山「勝道上人」のご遺徳を肌で味わってみて下さい。