2020年07月28日法話
念彼観音力
中禅寺 執行
人見良典
現在、世界的コロナ禍の中、皆さんも大きな制約、大きなストレスの中、見えないウイルスと戦いながら、日常生活を過ごされていることと思います。
「法華経」というお経の中に「観音菩薩普門品第二十五」という一章があります。
これは、観音様が私たちの遭遇する色々な苦難に出会った時、観世音菩薩の偉大なる慈悲の力をもって、我々を救ってくれると説いています。
人々が困難に出会い、さまざまな苦しみに悩まされるとき、観音様の優れた力によって人々の苦しみを救ってくれる。智恵に富んださまざまな手段によって、どんな所にでも現れないことはない。そして、悪趣(あくしゅ)に現れた観音様は、いろいろな神通力と方便によって苦しみを滅ぼしてくれる。
また、観音様は、苦しみや死の苦難が訪れたとき、最後のよりどころとなり、あらゆる功徳を持ち、慈悲の目をもって人々を眺めている。その福の集まる姿は無量である。だから、手を合わせ、観音様を念じるべきである。と説いています。
この手を合わせ、観音様を念じることを「念彼観音力」といい、手を合わせて観音様を念ずると、私たちが持っている生命力が満ち、そうすることによって、安らかな心、強い精神、人を思いやる気持ちが目覚めさせられるのではないでしょうか。
こんな今だからこそ、手を合わせご先祖さま、観音様を静かに念じる一時を持つことが大切なのではないでしょうか。
合 掌