開山堂【重要文化財・世界遺産】
堂内には、像高約1.3㍍の地蔵菩薩および日光山開祖「勝道上人」とその十大弟子の木造坐像が安置されています。上人は、弘仁8年(817)に83歳で遷化、この地に埋葬されました。毎年4月1日に開山上人をしのぶ開山会法要が執行されています。
お堂は、間口、奥行きとも6間5尺(12.3メートル)の重層宝形造りで、堂内には日光山第59世「公遵」法親王の筆による「開先院」の額が掲げられています。
観音堂(産の宮)【県指定有形文化財・世界遺産】
このお堂は、楊柳観音がまつられています。いわゆる三十三観音の一つで、病苦からの救済を本願とします。右手に柳の枝を持つことからその名があります。
その功徳にあやかって安産を願う信仰があり、別名「香車堂」「将棋っ駒」とも呼ばれます。将棋の駒の香車が戻らずに直進する駒なので、妊婦がこの駒を借りて帰り、自宅の神棚などにまつると、無事出産できるとされています。因みに出産後は、借りた駒と共に新調した駒を一緒に返納するならわしになっています。
陰陽石
お産に縁のある、自然石二つからなる奇石です。
陰(女性)と陽(男性)を意味すると言われており、観音堂を訪れた人は、ここでも安産を祈願します。
勝道上人の墓
日光開山の祖、勝道上人は、弘仁8年(817)に83歳で遷化され、仏岩で茶毘にふされました。当初、上人の遺骨は仏岩谷の上方に埋葬されましたが、東照宮鎮座のおり、開山堂が建てられ遺骨もここに移されました。五輪塔の台石には「勝道上人之墓」と刻まれています。また、隣にある三基は、上人の弟子のお墓です。
仏岩
頭上の岩壁に仏の姿をした岩が並んでいたものが、地震で岩が崩れて消失し、仏岩の名のみが残ったともいわれます。
岩壁基部のくぼみには、梵天、帝釈天と四天王のうちの三体、不動明王の石造、六体が並んでいます。