宝物殿 企画展「山岳信仰の遺宝展Ⅰ」

日光山輪王寺宝物殿企画展示

期 間 平成26年8月7日(木)~10月8日(水)
開 館 午前8時~午後5時

 輪王寺宝物殿では,夏と秋の二期にわけて,日光の原点とも言える山岳信仰にまつわる宝物を展示いたします。
 日光連山の主峰である男体山は,均整のとれた美しい山容によって,古くから多くの人びとに親しまれてきました。とりわけ関東平野では,さまざまな場所から男体山を仰ぎ見ることができます。広い平野の北に高くそびえる男体山と,それに連なる日光連山は,日の光を浴びて美しく輝き,仏や神の居ます世界を人びとに感じさせる山なのです。
 奈良時代,下野芳賀に生まれた勝道上人も,神々しい山々に強く惹かれた一人です。彼はやがて,気高くそびえる男体山を極めることを決意しました。天平神護2年(766),野山を拓き,神仏の助力も得て大河(大谷川)を渡った上人は,千手観音の像を造り,庵を結びました。これが輪王寺の前身にあたる四本龍寺です。ここを拠り所として修行を重ねた上人は,天応2年(782),ようやく霊峰を極めるに至りました。延暦3年(784),弟子たちを率いた勝道は男体山のふもとの南湖(中禅寺湖)に小船を浮かべて巡覧し,湖の各所で霊験を得て,中禅寺を建立しました。
 こうして現在にいたる日光の長い歴史が,幕を開けたのです。
 日光山の信仰の根本には,男体山を中心とする山々への畏敬の念があります。勝道上人がひらいた山々を修行の場とした山岳信仰がこの日光には脈々と受け継がれてきました。
 このたびは夏と秋の二期に分けて,輪王寺に伝わった山岳信仰にまつわる宝物をご覧にいれます。
勝道上人の事跡は,修験者が行う三峰五禅頂と呼ばれる修行や,在俗信者が行う男体禅頂や船禅頂として引き継がれました。夏の展示では,これまであまり注目されてこなかった江戸時代の遺宝を中心に,勝道上人にまつわる品々,日光三所権現の信仰をうかがう品々,禅頂行や船禅頂にかかわる品々を展示いたします。
 また今期に限って特別に,江戸時代初期の明暦元年(1655)に日光を参詣した朝鮮通信使関係資料を展示するコーナーも併設しております。
 夏の日光は多くの人びとを集め,もっとも穏やかな表情を見せる季節です。登山や湖水の遊覧など,自然に親しむかたわら,勝道上人や,上人を引き継ぎ,今に至る多くの修行者の事跡に思いを馳せていただければ幸甚です。

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【主な展示品】

伝勝道上人所用 鉄錫杖 奈良時代 重要文化財
伝勝道上人所用 刀子 奈良時代
沙門勝道歴山水螢玄珠碑 江戸時代
勝道上人画像 江戸時代
金銅蛭巻入峰斧 鎌倉時代 重要文化財
日光三所権現像 江戸時代
手錫杖 康正元年(1455) 重要美術品
外錫杖 江戸時代
日光山縁起絵巻 巻5「湖水図」 江戸時代
古能面 烏天狗 天和2年(1682)
古能面 霊男 寛文2年(1662)
日光三所大権現図像 江戸時代
入峰札 延宝4年(1676) 初出陳
鋳銅半肉千手観音像 平安時代 重要文化財
鋳銅半肉千手観音像 平安~鎌倉時代
鰐口 深山宿奉納 永正15年(1518)
鰐口 白岩稲荷奉納 元亀3年 (1576)
強飯図 江戸時代 初出陳
菊御紋皿 江戸時代
両界曼荼羅 二幅 江戸時代
【朝鮮通信使献納品,通信使関連品】
朝鮮国王孝宗親筆額字 乙未年(1655) 栃木県指定文化財
敔(ぎょ) 乙未年(1655) 栃木県指定文化財
鳳凰宝相唐草文紗 乙未年(1655) 栃木県指定文化財
朝鮮人参詣記録写 明暦元年(1655)

 

狩野派の絵画Ⅰ

公益財団法人德川記念財団常設展示
*日光山輪王寺宝物殿は德川記念財団の特別協力館です。

 狩野派は、室町時代に活躍した狩野正信(1434~1530)を祖とする一大画閥です。正信は、小栗宗湛(おぐりそうたん)の後を継いで室町幕府の御用絵師になり、8代将軍足利義政に仕えました。正信の子・元信(1476~1559)も室町幕府の御用絵師を務め、宮廷や社寺の仕事にも精力的に取り込み、狩野派の流派様式を創りました。室町幕府が崩壊すると、元信の孫・永徳(1543~1590)は織田信長・豊臣秀吉という権力者と関係を持ちます。永徳は、織田信長が築城させた安土城の障壁画を一門によって完成させ、また豊臣秀吉の築いた大坂城や聚楽第の障壁画を描きました。永徳が没して嫡男・光信(1561/65~1608)も秀吉に仕えましたが、徳川家康が江戸で幕府を開くと、江戸での画用が多くなり、京から江戸へ基盤を移します。狩野派の宗家は、光信の子・貞信(1597~1623)が若くして没したため、光信の弟・孝信(1571~1618)の家系が継承しました。孝信の息子は、守信(探幽)を祖とする鍛冶橋家、尚信を祖とする木挽町家、貞信の養子となり宗家を継いだ安信を祖とする中橋家に分けられました。この3家に尚信の子・岑信の家系から生まれた浜町家を加えた4家が江戸幕府の奥絵師として活躍しました。奥絵師を務めた4家以外にも、狩野派にはさまざまな諸家が存在しました。狩野派は、宗家を中心とした血族集団と全国の門人からなる画家集団で、奥絵師の4家を筆頭にそれに次ぐ表絵師15家、その下に町人の需要に応える町狩野というピラミッド型の組織構成をしていました。狩野派はあらゆるジャンルの絵画を手掛け、江戸時代随一の画壇を形成しました。今回の展示では、作品を通して、狩野派の活躍の一端を感じていただければ幸いです。

平成26年8月
公益財団法人 德 川 記 念 財 団
〒151-0064 東京都渋谷区上原2-35-5-203
TEL03-5790-1110・2620
德川記念財団ホームページ http://www.tokugawa.ne.jp

久能山東照宮博物館
〒422-8011 静岡市駿河区根古屋390
TEL 054-237-2437
久能山東照宮ホームページ http://www.toshogu.or.jp

開館時間 午前9時〜午後5時
休館日 年中無休
交通機関 東名静岡または清水I.Cより日本平まで約20分/JR静岡駅より
しずてつバス「日本平行き」
駐車場 日本平駐車場200台を利用(無料)
〔日本平〕よりロープウェイにて5分
德川記念財団常設展 「徳川家伝来品に見る花鳥」
平成26年7月25日(金)~平成26年9月26日(金)

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次回展示予告

平成26年10月9日(金)~平成26年12月10日(水)
8時~17時(入場は16時45分まで。)
〔德川記念財団常設展〕山岳信仰の遺宝展 Ⅱ
※展示内容・展示期間は、予告なく変更する場合があります。
※11月1日以降は16時閉館。