宝物殿 企画展「 輪王寺の工芸品 」

お陰様で好評裡に終了いたしました。

同時開催・德川記念財団常設展示 「 5代将軍 綱吉の書画 」

現在輪王寺(りんのうじ)の所蔵する宝物には、経典、仏画、仏器などの金工品、彫刻など仏事に使用されるものの他に、宮中・徳川将軍家関係史料や来訪者からの珍しい奉納・寄進品などがあります。

輪王寺にはなぜ幅広い種類が現存するのか、ここでは当山の歴史も交え簡略ながらご紹介させていただきます。

日光は天平神護(てんぴょうじんご)2年(766)に勝道上人によって開山され、日光連山の一つである男体山(なんたいさん)信仰を中心とした山岳信仰の拠点として発展してきました。その後は神仏の信仰が加わり、中世までには、ここ日光山は周囲の山麗も総括した霊場として栄え、様々な信仰形態に基づいた堂社が建てられました。輪王寺所蔵の中世資料はこうした堂社に奉納・寄進された品が多くを占めます。経典や宝塔、仮面などは信仰対象として制作されたものであり、これらは当時の日光山における祭礼行事や信仰、また芸能文化などを知る上で貴重な資料となっています。

戦国時代から近世至るまでに当山も時代変革の波にのまれ一時衰退しますが、慶長(けいちょう)18年(1613)家康公の命により天海大僧正が日光山貫主(かんす)に着任、壊れた堂社の復旧や天台宗の普及に尽力し、当山は一大霊場として隆盛を極めました。また、元和3年(1617)家康公の霊廟東照社(後の東照宮)が創建されたことにより、日光山は徳川家祖廟を祀る地として幕府の安泰・平和を守護する聖地となりました。後に3代将軍家光公の霊廟大猷院(たいゆういん)も日光山へ創建され、徳川家廟所で使用される祭礼道具や装飾品などは、建物同様、幕府の権力・威信を具現するものとして当時の職人の意匠をこらした品々が納められています。他に朝廷や将軍家、各大名、鎖国時代ながらも外交関係のあった諸外国からの奉納品が数多く残ります。

承応(じょうおう)3年(1654)天海大僧正の後継者として皇族より親王(皇子)を迎え、以後江戸時代を通して歴代法親王が着任する門跡(もんぜき)寺院とったことから、歴代法親王の調度品等も当寺につたえられています。
開山から現在に至るまでに当山残された数々の遺品。その美しさは数百年経った今も衰えておらず、現在まで大切に保管されてきました。今回はその内の一部の展示となりますが、当時の人々の至高を凝らした技・伝統工芸の数々をご堪能ください。

日光山 輪王寺 宝物殿