宝物殿 企画展「 荘厳具―金工・漆工を中心に―」

お陰様で好評裡に終了いたしました。

期 間 平成25年10月16日(水)〜12月12日(木)
開 館 10月16日〜31日 午前8時〜午後5時
11月1日〜12月12日 午前8時〜午後4時

荘厳(しょうごん)とは、仏・菩薩や寺院の堂塔を美しく厳かに飾り付けることをいいます。荘厳に使う道具が荘厳具です。仏堂を飾る天蓋(てんがい)や幡(ばん)・華鬘(けまん)、あるいは仏・菩薩の身を飾る宝冠や胸飾(むねかざり)・臂釧(ひせん)などがそれにあたります。また、仏舎利(ぶっしゃり)(釈迦の遺骨)を納める舎利容器や、仏教の教えを伝える経典(きょうてん)(経巻)やそれを収める経箱にも、精緻な装飾が施されることがあり、これらも含めて広く荘厳具と呼ぶことがあります。

古くは欽明(きんめい)天皇13年(552)、『日本書紀』の仏教初伝の記事において、「幡蓋(ばんがい)」(幡と天蓋か)が仏像や経典とともに伝来したことが記されており、「荘厳」が、仏教において欠かせない要素であったことがわかります。

奈良時代、勝道上人(しょうどうしょうにん)によって開かれた日光山には、数多くの荘厳具が残されています。多くは今も日光山内各所の堂塔や仏像を厳かに飾っていますが、長い歴史のなかで、さまざまな行事や法会(ほうえ)が執り行われる際に、伽藍(がらん)を含めた空間を実際に美しく装飾した荘厳具も、大切に伝えられてきました。

このたびの展示では、輪王寺に残された荘厳具のなかから、金工品・漆工品を中心として、華麗な装飾をこらした経典や、特別な法会のためにしつらえられた仏具、あるいは法会の際に打ち鳴らされた梵音具(ぼんのんぐ)などをご覧に入れます。

とりわけ、寛永13年(1636)に江戸幕府三代将軍徳川家光公によって盛大に執行された、徳川家康公二十一回忌法会や、正徳5年(1715)に執り行われた東照大権現百回忌といった国家的な大法会のために造られた経典・経箱や金工品を中心に展示いたしました。

当時の技の粋を尽くした、華麗な装飾のさまざまを、ゆっくりとご覧下さい。

同時開催「十代家治、十一代家斉とその時代」

*日光山輪王寺宝物殿は德川記念財団の特別協力館です。

 徳川家治は、9代将軍家重の長男として生まれました。家重が病弱であったことから、幼少より祖父の吉宗の期待を受け、寵愛されて育ちました。将軍に就任すると、家治自身が政治を主導するのではなく、田沼意次らに政治を委任しました。田沼は、商業を重視した政策を次々に打ち出し、従来の鎖国制や農本主義を墨守とする幕政に新しい潮流を注ぎ込みました。

この重商主義的政策は、商品生産の進展をうながしたが、農民の間に貧富の格差が生まれ、離村して無宿者になり大都市に流れ込む農民が後を絶ちませんでした。その結果、農村は荒廃し、都市貧民の増加により一揆や打ちこわしが多発しました。一方で、家治は聡明で見識のある人物だったが、それを政治で発揮できないもどかしさからか、武芸・文芸など趣味に没頭し、特に書画と将棋を得意としていました。気に入った絵には、「政事之暇」、不満足な出来栄えの絵には「梅風薫四方」の落款(らっかん)を捺していました。家治の意味深長な心境を表していると言えるでしょう。

家治の後継ぎには、嫡男の家基(いえもと)が予定されていましたが、安永8年(1779)に鷹狩の帰りに体調不良を訴え、死去してしまいました。家治の子は、他にいなかったため、一橋治済(はるさだ)の長男である豊千代(家斉)を養子に迎えました。家斉は、14歳の若さで将軍職を継承したため、白河藩主松平定信が政治を代行しました。定信は、田沼政権の一掃と重商主義的政策を改め、緊縮財政や風俗取締りによる幕府財政の安定を目指しました。しかし、家斉との対立や強引な取り締まりにより周囲の反感を買った定信は、失脚しました。その反動からか、家斉は緊縮財政の緩和を指示し、自身も奢侈な生活を送るようになりました。さらに子女を多くもうけ、御三家や加賀前田家など有力大名に養子に入ったり、嫁いだりしました。綱紀は紊乱(びんらん)し、幕府財政は放漫となり一層困窮となりました。またこの時期には、町人や農民の経済力や教育水準が高まり、江戸で町人文化が最盛期を迎え、地方へも都市の娯楽的文化が伝播しました。

このたびの展示では、家治と家斉の画像と書画に加えて、若くして亡くなり将軍職を継承できなかった家基の画像をご紹介します。

平成25年10月
公益財団法人 德 川 記 念 財 団
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TEL03-5790-1110・2620

德川記念財団ホームページ http://www.tokugawa.ne.jp

日光山輪王寺宝物殿と久能山東照宮博物館の2館で德川記念財団の常設展示を行っています。機会がございましたら、久能山東照宮へもお出かけ下さい。

久能山東照宮博物館
〒422-8011 静岡市駿河区根古屋390
TEL054-237-2437

久能山東照宮ホームページ
http://www.toshogu.or.jp   

【開館時間】午前9時〜午後5時
【休館日】年中無休
【交通機関】東名静岡または清水I.Cより日本平まで約20分/JR静岡駅よりしずてつバス「日本平行き」
【駐車場】日本平駐車場200台を利用(無料) 〔日本平〕よりロープウェイにて5分 
【德川記念財団常設展】2013年1月〜2月末 「神仏を描く」※展示内容・展示期間は、予告なく変更する場合があります。

なお久能山東照宮博物館は、改修工事のため2月末以降休館の予定です。詳しくは電話にてお問い合せ下さい。

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次回休館日

平成25年12月13日(金)、12月14日(土)
※隣接する庭園「逍遥園」も休園いたします。

次回展示予告

平成25年12月15日(日)〜平成26年2月5日(水)
〔輪王寺企画展〕    荘厳具-金工・漆工を中心に- 
〔德川記念財団常設展〕 徳川将軍家と馬
※展示内容・展示期間は、予告なく変更する場合があります。