宝物殿 企画展「日光山と天台の仏教美術」

お陰様で好評裡に終了いたしました。

期 間 第Ⅲ期 平成25年8月5日(日)〜10月14日(月)
開 館 午前8時〜午後17時

 日光山輪王寺は、766年(奈良時代)に勝道上人(しょうどうしょうにん)(735-817)により開山・創建されて以来、現在まで至る長い歴史をもつ天台宗のお寺です。この天台宗とはいつ頃どのようにして日本へと伝わったのでしょうか。

 天台宗は比叡山延暦寺を総本山とする宗派であり、最澄(766-822)によって開宗されました。紀元前4世紀頃インド発祥の仏教は、シルクロードを渡り中国・朝鮮半島へ広まりをみせます。日本へは6世紀頃もたらされました。日本よりも早くに仏教が普及していた中国では、6世紀頃には僧侶・智顗により天台宗の教えが樹立されており、この宗派が日本へと請来されるのは、更に250年余経った805年のことです。804年(延暦23)、仏教を学ぶため最澄が唐(現在の中国)へと渡り、天台山にて「法華経(ほけきょう)」を中心とする中国天台の教えに加え、密教の相承、更に禅や戒律も兼学しました。805年(延暦25)、日本へと戻った最澄が比叡山に延暦寺を創建し、天台宗を開きました。顕教(釈迦如来の教え)・密教(大日如来の教え)に重きを置いた最澄の教学は日本天台の基盤となります。更に真言宗宗祖・空海が唐から請来し中国最新の密教が導入された真言密教(東密)に追いつくべく、天台密教(台密)では最澄の弟子である円仁(えんにん)、円珍(えんちん)が唐に渡り東密に比肩する成果をもたらしました。

 円仁が日本へと伝えた天台修法は日光へも取り入れられ、常行堂・法華堂というお堂が現存します。また、現在日光でも行われている修正会、延年舞なども円仁が日本へ伝えたものといわれています。

 輪王寺には顕教に関係する仏画・経典の他、密教本尊・法具など多くの天台仏教の美術史料が残されています。今回の展示では当寺に伝わる仏教美術を中心とした史料をご紹介させていただきます。

同時開催「八代吉宗、九代家重とその時代」

*日光山輪王寺宝物殿は德川記念財団の特別協力館です。

徳川吉宗は、貞享元年(1684)に紀州藩2代藩主徳川光貞の4男として生まれました。宝永2年(1705)、兄の綱教と頼職が相次いで死去したため、藩主に就任しました。また正徳6年(1716)には7代将軍徳川家継が死去し、後継者が不在だったため、吉宗が8代将軍に就任しました。従来の側用人を中心とする政治体制をやめ、側近を紀州藩出身者で固め、将軍権力を強化し政治の主導権を掌握しました。財政再建、江戸とその周辺地域の再編、法典の編纂や勘定所などの官僚機構の整備を行いました。吉宗の治世は享保の改革と称され、江戸時代後期には幕府政治の手本とされ理想化されました。享保の改革によって、法と官僚を中心とする支配体制が形成されました。さらに、記録・文書の重要性を高め、勘や記憶による社会から資料や証拠をもとに合理的に判断する文書主義社会へと転換しました。

吉宗は、詩歌管弦といった貴族的教養は乏しかったが、法学・天文学・医学・地理学などといった実証的・実学的な学問への関心は高かったようです。海外に関する知識や情報にも強い関心を持ち、享保5年(1720)に漢訳した洋書の輸入を解禁しました。吉宗の海外への関心は、政治や文化に大きな影響を与えました。延享2年(1745)、吉宗は息子の家重に将軍職を譲り、宝暦元年(1751)に死去しました。

家重は、正徳元年(1711)に吉宗の長男として生まれました。吉宗のような質実剛健の性格とは違い、病弱で文武を好まず、酒色遊芸にふける人物でした。家重は、出産障害で言語不明瞭となり、言葉を解すことができた大岡忠光が政務を代行しました。家重の治世は、享保の改革を踏襲し、政治体制は安定していましたが、農民の一揆が大規模となり社会が動揺する時代でした。宝暦10年(1760)、家重は隠居し、翌年死去しました。

今回の展覧会は、吉宗・家重の画像や領知判物を通して、時代の一端を感じていただければ幸いです。

平成25年8月
公益財団法人 德 川 記 念 財 団
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TEL03-5790-1110・2620

德川記念財団ホームページ http://www.tokugawa.ne.jp

日光山輪王寺宝物殿と久能山東照宮博物館の2館で德川記念財団の常設展示を行っています。機会がございましたら、久能山東照宮へもお出かけ下さい。

久能山東照宮博物館
〒422-8011 静岡市駿河区根古屋390
TEL054-237-2437

久能山東照宮ホームページ
http://www.toshogu.or.jp   

【開館時間】午前9時〜午後5時
【休館日】年中無休
【交通機関】東名静岡または清水I.Cより日本平まで約20分/JR静岡駅よりしずてつバス「日本平行き」
【駐車場】日本平駐車場200台を利用(無料) 〔日本平〕よりロープウェイにて5分 
【德川記念財団常設展】2013年1月〜2月末 「神仏を描く」※展示内容・展示期間は、予告なく変更する場合があります。

なお久能山東照宮博物館は、改修工事のため2月末以降休館の予定です。詳しくは電話にてお問い合せ下さい。

次回 德川記念財団常設展
10月16日(水)〜12月12日(木)
「十代家治、十一代家斉とその時代」
*展示内容・展示期間は、予告なく変更する場合があります。