宝物殿 企画展「日光山と天台の仏教美術」

お陰様で好評裡に終了いたしました。

期 間 第Ⅰ期 平成25年4月12日(金)〜6月12日(水)
第Ⅱ期 平成25年6月14日(金)〜7月15日(月)
開 館 午前8時〜午後17時

 日光山輪王寺は、766年(奈良時代)に勝道上人(しょうどうしょうにん)(735-817)により開山・創建されて以来、現在まで至る長い歴史をもつ天台宗のお寺です。この天台宗とはいつ頃どのようにして日本へと伝わったのでしょうか。

 天台宗は比叡山延暦寺を総本山とする宗派であり、最澄(766-822)によって開宗されました。紀元前4世紀頃インド発祥の仏教は、シルクロードを渡り中国・朝鮮半島へ広まりをみせます。日本へは6世紀頃もたらされました。日本よりも早くに仏教が普及していた中国では、6世紀頃には僧侶・智顗により天台宗の教えが樹立されており、この宗派が日本へと請来されるのは、更に250年余経った805年のことです。804年(延暦23)、仏教を学ぶため最澄が唐(現在の中国)へと渡り、天台山にて「法華経(ほけきょう)」を中心とする中国天台の教えに加え、密教の相承、更に禅や戒律も兼学しました。805年(延暦25)、日本へと戻った最澄が比叡山に延暦寺を創建し、天台宗を開きました。顕教(釈迦如来の教え)・密教(大日如来の教え)に重きを置いた最澄の教学は日本天台の基盤となります。更に真言宗宗祖・空海が唐から請来し中国最新の密教が導入された真言密教(東密)に追いつくべく、天台密教(台密)では最澄の弟子である円仁(えんにん)、円珍(えんちん)が唐に渡り東密に比肩する成果をもたらしました。

 円仁が日本へと伝えた天台修法は日光へも取り入れられ、常行堂・法華堂というお堂が現存します。また、現在日光でも行われている修正会、延年舞なども円仁が日本へ伝えたものといわれています。

 輪王寺には顕教に関係する仏画・経典の他、密教本尊・法具など多くの天台仏教の美術史料が残されています。今回の展示では当寺に伝わる仏教美術を中心とした史料をご紹介させていただきます。

同時開催「三代将軍家光の書画とその時代」

*日光山輪王寺宝物殿は德川記念財団の特別協力館です。

3代将軍徳川家光は、慶長9年(1604)に徳川秀忠の次男として江戸城で生まれました。幼少期は小心者で、温和な性格でしたが、10歳の頃から雄々しくなり、血気盛んであったと言われています。家光には弟国松(松平忠長)がおり、両親は国松を寵愛していました。しかし、元和2年 (1616)、廃嫡の危機を感じた乳母の春日局が家康に訴えたところ、家康は家光を世継ぎに指名し、次期将軍の地位が確定しました。

元和9年(1623)、家光は京都に上洛し、朝廷から将軍宣下を受けましたが、実権は大御所である秀忠にありました。秀忠死後、家光は松平忠長や熊本城主加藤忠広を改易し、諸大名に対する姿勢を示しました。さらに、老中をはじめとする幕府機構の整備や諸大名の参勤交代の制度化、キリシタン統制を目的に鎖国(海禁)体制を確立させるなど将軍権力を強化し、支配体制を構築しました。一方で、家光は祖父の家康を崇敬していました。将軍継嗣問題の時、家康の英断により家光に決定したことが所以とされています。家光は寛永11年(1634)、家康を祀る日光東照社の大造営を行い、豪華絢爛な建造物に改築しました。また日光東照社への宮号宣下や日光例幣使の創設を朝廷に要請し、家康の神格化と日光東照宮の地位を高めました。家光自身も遺言で、日光山に大猷院廟を建立するよう伝え、そこに祀られました。

 家光は武芸・文芸共に好み、奨励をしていました。武芸では鷹狩り、剣術、水泳など幅広く嗜(たしな)みました。特に鷹狩りは、崇敬する家康が好んだことから盛んに行いました。文芸では和歌や連歌、絵画を好みました。絵画は鑑賞だけでなく、自身でも自由でのびやかな画を描きました。

 このたびの展示では、家光の自筆書画を中心にご紹介します。将軍権力を確立させた時代や家光の人柄を感じていただければ幸いです。

平成25年6月
公益財団法人 德 川 記 念 財 団
〒151-0064 東京都渋谷区上原2-35-5-203
TEL03-5790-1110・2620

德川記念財団ホームページ http://www.tokugawa.ne.jp

日光山輪王寺宝物殿と久能山東照宮博物館の2館で德川記念財団の常設展示を行っています。機会がございましたら、久能山東照宮へもお出かけ下さい。

久能山東照宮博物館
〒422-8011 静岡市駿河区根古屋390
TEL054-237-2437

久能山東照宮ホームページ
http://www.toshogu.or.jp   

【開館時間】午前9時〜午後5時
【休館日】年中無休
【交通機関】東名静岡または清水I.Cより日本平まで約20分/JR静岡駅よりしずてつバス「日本平行き」
【駐車場】日本平駐車場200台を利用(無料) 〔日本平〕よりロープウェイにて5分 
【德川記念財団常設展】2013年1月〜2月末 「神仏を描く」※展示内容・展示期間は、予告なく変更する場合があります。

なお久能山東照宮博物館は、改修工事のため2月末以降休館の予定です。詳しくは電話にてお問い合せ下さい。

次回 德川記念財団常設展
8月4日(日)〜10月14(月)
「八代吉宗、九代家重とその時代」
*展示内容・展示期間は、予告なく変更する場合があります。
*7月17日(水)〜8月2日(金)まで三仏堂燻蒸により、日光山輪王寺宝物殿は休館です。
*8月3日(土)は展示替えのため、休館です。