家光公と家臣たち――大猷院の遺宝

家光公と家臣たち――大猷院の遺宝

徳川家光公画像元和3年(1617),江戸幕府二代将軍の徳川秀忠公と天海大僧正が中心となり,幕府を開創した徳川家康公を祀る東照大権現社を造営しました。寛永13年(1636)の家康公二十一回忌にあたり,それを大きく造り替えたのが徳川家光公です。
わずか3歳にして大病を患った家光公は,祖父家康公が調合した薬を服用し,一夜にして病が癒えたといいます。家康公の忌日と家光公の誕生日はともに17日であることから,家光公は自らを家康公の分身であると観念していたともいわれます。
そのためもあって,東照大権現社をはじめとする日光の堂社の整備に力を尽くし,日光参詣は歴代将軍最多の10回を数えました。また自らも日光に葬られることを望み,その遺言によって造営されたのが大猷院です。大猷院には,加賀藩の前田綱紀を初めとする大名のほか,下野壬生藩や武蔵忍藩を任された阿部忠秋,家光・家綱の二代にわたって信任を得た板倉重宗,幕府普請奉行を勤める傍ら茶人としても活躍した船越永景など,家光公のそば近くで政務を補佐し,また四代将軍家綱公を支えた譜代の家臣たちが奉納の品を遺しています。
家光公の命日を回向する大猷院祥忌と家康公の命日が重なるこの時,家康公に対する家光公の思慕が造りだした日光の伽藍と,初夏の日差しに輝きを増す青葉のコントラストを楽しみながら,家光公と家臣たちの遺宝を楽しんでいただければ幸いです。

【主な展示品】
◎重要文化財

◎鋳銅半肉千手観音像 1面 平安時代
徳川家光公画像 1幅 江戸時代
慈眼大師天海画像 1幅 江戸時代
御祭神之図(祭礼行列図) 1巻 江戸時代
大猷院三十三回忌法会図 3幅 江戸時代
船越永景奉納 青銅水指 1合 江戸時代
阿部忠秋奉納 青磁香炉 1口 江戸時代
板倉重宗奉納 舟形釣花生 1点 江戸時代
徳川家光公筆 松の図 1幅 江戸時代
徳川家康公書状 1幅 安土桃山時代

御祭神之図(東照宮祭礼行列図)

 

八代将軍吉宗と日光社参

公益財団法人德川記念財団常設展示

*日光山輪王寺宝物殿は德川記念財団の特別協力館です。

八代将軍吉宗と日光社参
日光社参は徳川将軍が下野国日光山に行き、初代将軍徳川家康を東照大権現として祀る東照宮、および三代将軍家光を祀る大猷院という「家」の先祖の霊廟に詣でる行事です。大老・老中など主要な幕閣をはじめとする総勢十数万人とも言われる武家が将軍に供奉する行列が組まれ、江戸と日光山を往復しました。
この日光社参は家康の一周忌にあたる元和三年(1617)に二代将軍秀忠が行ったのがはじまりで、その後、三代将軍家光、四代将軍家綱が行いますが、寛文三年(1663)を最後に中断されました。そして、享保十三年(1728)に六十五年ぶりに日光社参を再興したのが八代将軍吉宗です。吉宗は七代将軍家継の夭折により德川宗家の直系が途絶えた後、紀伊徳川家から養子に迎えられて将軍となり、享保改革を断行し、幕府の新たな諸制度を創設していきます。その中で、宗家直系の歴代将軍の祭祀を簡略化しつつ、神祖家康の祭祀を重視し社参を行ったことで、徳川将軍の「家」を再構築したといわれ、この後に計画された社参は吉宗の社参が先例とされました。本展では、旧幕臣川村清雄の描いた油彩画の徳川吉宗像をはじめ徳川吉宗の詠んだ和歌や描いた画、そして吉宗の行った日光社参に関する資料など宗家伝来の品々をご紹介いたします。

平成30年4月
公益財団法人 德 川 記 念 財 団
〒151-0065 東京都渋谷区大山町37-6
TEL03-5790-1110・2620
德川記念財団ホームページ http://www.tokugawa.ne.jp

久能山東照宮博物館
〒422-8011 静岡市駿河区根古屋390
TEL 054-237-2437
久能山東照宮ホームページ http://www.toshogu.or.jp

交通機関 東名静岡または清水I.Cより日本平まで約20分/JR静岡駅より
しずてつバス「日本平行き」
駐車場 日本平駐車場200台を利用(無料)
〔日本平〕よりロープウェイにて5分
常設展 「徳川家茂と養賢閣」
平成30年4月7日(土)~6月10日(木)

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次回展示予告

〔日光山輪王寺 宝物殿〕「徳川将軍家と染付磁器」
平成30年6月15日(金)~8月8日(水)
※展示内容・展示期間は、予告なく変更する場合があります。