日光山に春が来た ―輪王寺の行事と宝物

日光山に春が来た―輪王寺の行事と宝物

今年の冬はことさらに厳しく,寒波や大雪に関わる話題が毎日のように聞こえてきます。山地にある日光の寒さはまた格別です。

正月の歳旦会・修正会から2月の節分会は一年でもとりわけ寒い時期にあたります。節分とは,もともと春夏秋冬それぞれの季節を分ける節句です。日本では春の始まりを祝う行事として定着しました。豆まきで知られるように,新しい春に向かって,鬼に象徴される災厄や疫病を祓うことにより,新しい春への門出を寿ぐ行事でもあります。輪王寺をはじめとする二社一寺でもそれぞれ慶祝の行事があり,信徒や観光客で賑わいを見せます。節分過ぎには涅槃会が控えます。仏教の創始者である釈尊は陰暦2月15日に亡くなりました。釈尊が入滅の様子を描く涅槃像を掲げ,釈尊の死を悼みます。そして4月2日に執り行われる強飯式は,日光に残る独特の行事で,日光責めとも称されます。山伏姿の僧侶が大椀に盛った三升の飯を頂戴人に強いる様子をご覧になった方も多いでしょう。

涅槃会のころから,日光に本格的な春の到来を告げる強飯式のあいだ,雪や氷は溶け,凍てついた土も暖かな日差しによって日に日に緩み,ウグイスの声も響くようになります。

このたびは輪王寺に残された春の行事にまつわる宝物とともに,春の到来を思わせるおめでたい宝物を展示いたしました。日差しが暖かさを増すこのころ,日々近づく春を感じていただければ幸いです。

【主な展示品】
◎重要文化財 ◇栃木県指定文化財

◎鋳銅半肉千手観音像 1面 平安時代
◎蔵面 安摩 1面 江戸時代
◎蔵面 蘇利古 1面 江戸時代
◇古能面 烏天狗 1面 江戸時代
◇古能面 鬼 1面 江戸時代
衝立障子 白鷹 1基 江戸時代
衝立障子 岩に亀 1基 江戸時代
◇朝鮮通信使献納 朱漆塗箱 1合 明暦元年(1655)
◇朝鮮通信使献納 柷 1基 明暦元年(1655)

 

徳川一門の描いた書画

公益財団法人德川記念財団常設展示

*日光山輪王寺宝物殿は德川記念財団の特別協力館です。

徳川一門の描いた書画
御三家・御三卿といった徳川家の直系一門、及び松平姓を名乗ることが許された家門と呼ばれる徳川将軍家庶子筋の大名家を含めた徳川一門は、武家の棟梁である将軍家の一門として相応しい武芸の修得もさることながら、学芸の修業に努めました。德川宗家伝来の徳川一門の書跡、絵画を見ると、書跡は古歌などの古典に依拠した内容、絵画は御用絵師である狩野派などの影響が見受けられます。

本展では、御三家筆頭尾張徳川家2代徳川光友の「千代能尼図」、2代将軍秀忠の子で会津松平家始祖保科正之の「河骨鶺鴒図」、御三家水戸徳川家8代徳川斉脩の「鬼念仏之図」、水戸徳川家2代徳川光圀と9代徳川斉昭の和歌、11代将軍家斉の14男で津山藩主松平斉民の「山水図」をご覧にいれます。これら宗家伝来の書画を通して一門それぞれの人柄や個性、そして「徳川の平和」(Pax ・Tokugawana)とも称される260余年にわたる泰平の世を支えた豊かな教養を感じ取って頂ければ幸いです。

平成30年2月
公益財団法人 德 川 記 念 財 団
〒151-0065 東京都渋谷区大山町37-6
TEL03-5790-1110・2620
德川記念財団ホームページ http://www.tokugawa.ne.jp

久能山東照宮博物館
〒422-8011 静岡市駿河区根古屋390
TEL 054-237-2437
久能山東照宮ホームページ http://www.toshogu.or.jp

交通機関 東名静岡または清水I.Cより日本平まで約20分/JR静岡駅より
しずてつバス「日本平行き」
駐車場 日本平駐車場200台を利用(無料)
〔日本平〕よりロープウェイにて5分
常設展 「徳川家と宮家」
平成30年2月20日(火)~平成30年4月4日(水)

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次回展示予告

〔日光山輪王寺 宝物殿〕八代将軍吉宗と日光社参
平成30年4月13日(金)~平成30年6月13日(水)
※展示内容・展示期間は、予告なく変更する場合があります。