宝物殿 企画展「荘厳-経典の美-」

お陰様で好評裡に終了いたしました。

德川家伝来の絵画(近代)Ⅱ ご挨拶

 德川宗家には歴代将軍の肖像画や将軍自筆の絵画、さらには狩野派をはじめとする御用絵師の描いた作品など、数多くの江戸時代の絵画作品が残されています。その一方で、明治以降の近代絵画も所蔵品の一角をなしています。

 江戸時代においては、御用絵師が将軍や幕府のための絵画制作を行ないました。御用絵師は家臣としての格をもち幕藩体制に組み込まれていたために、幕府崩壊後は身分を失い、その多くが廃業に追い込まれました。

 明治期になると、美術の世界でも激動の時代を迎えます。欧化をめざす明治政府が、西洋技術の輸入を目指して設立した工部大学校には、付属施設として、日本初の美術教育機関である工部美術学校がつくられました。ここでは西洋絵画の写実主義が至上とされ、お雇い外国人のフォンタネージによって、デッサンや遠近法などの洋画教育がなされました。

 フォンタネージ帰国後に来日したフェノロサは、日本美術に興味を抱き、当時衰退していた狩野派を擁護し、伝統美術の復興を訴えました。この潮流の中で岡倉天心(1862~1913)は東京美術学校・日本美術院を設立し、新たな日本画の創造が目指されました。その後、明治40年(1907)に乱立していた日本画・洋画の会派をまとめるかたちで文部省美術院展覧会(文展)が発足します。

 本年度の展示では、第1回目(4月~6月)と第4回目(10月~12月)の2回に分けて、德川宗家に伝わる近代の日本画作品をご紹介します。江戸時代に生まれた画家の作品を集めた前回の展示に引き続き、今回の展示では、主に明治以降に生を受けた画家の作品を集めました。明治・大正・昭和の時代を生き抜いた彼らの中には、日本画壇の重鎮として帝室技芸員を努めた者や、工芸教育に従事した者、洋画家として活躍した者もいます。それらの作品には、旧来の日本画の伝統を踏まえつつも西洋の遠近法や写実主義の影響が見られるものもあり、近代日本画の模索の様子の一端を窺うことができます。このたびの德川宗家伝来の作品の展示を通し、近代日本絵画の多様性をご覧いただけましたら幸いです。

平成24年10月
公益財団法人 德 川 記 念 財 団

(公財)德川記念財団
〒151-0064
東京都渋谷区上原2-35-5-203
TEL03-5790-1110・2620

德川記念財団ホームページ
http://www.tokugawa.ne.jp

日光山輪王寺宝物殿と久能山東照宮博物館の2館で德川記念財団の常設展示を行っています。
機会がございましたら、久能山東照宮へもお出かけ下さい。

久能山東照宮博物館
〒422-8011
静岡市駿河区根古屋390
TEL054-237-2437

久能山東照宮ホームページ
http://www.toshogu.or.jp

【開館時間】 午前9時~午後5時
【休館日】 年中無休 
【交通機関】 東名静岡または清水I.Cより日本平まで約20分/JR静岡駅よりしずてつバス「日本平行き」
【駐車場】 日本平駐車場200台を利用(無料) 〔日本平〕よりロープウェイにて5分 

德川記念財団常設展  
2012年9月22日(土)~11月30日(金)「德川宗家伝来の品に見る花鳥」
※展示内容・展示期間は、予告なく変更する場合があります。詳しくは電話にてお問い合せ下さい。